ダーグ

         幾度も幾度も・・・・・
         巡る春 色が真実をまとう時
         光にくらませられる前に
         闇夜に舞う花びらの合い間に 何を見るんだろう

     何が全てを解き明かしてくれるのか?
     積まれて消えて 積まれては消されて
     知識が役に立ったとでも言うのか?
     ここには感覚しかないというのに

     かつて見た 二度とない光景
     火葬の煙の中で見た 永遠の幻影まぼろし
     愛しいかいなの中でかれる痛み
     自分の一部だったものが 目の前で消滅を選択する

     幾度も幾度も・・・・・
     実りの裏側にあるものから 目をそむける
     秋の意味を理解したことはあるのか?
     今 お前の瞳は何を見つめる?

     天を見よ
     ベツレヘムの星は赤く輝いているのか?
     さもなくば この虐殺の理由は何だ!?
     何千億の死の上に 立つ 私

     手の平に何が残されているというのだろう
     差し伸べられる手が 皮肉な運命を導いてくれる
     しかし 自分にはそれを振り払う力すらもない
     糸は どこで切ればいい?

     幾度も幾度も・・・・・
     巡る季節は変わってゆく
     それとも 自分が季節を巡らされているのか
     決着を見ないまま やがては自分も消えゆく運命さだめ

     よく聴いて憶えておくれ
     私達自身が立っている場所を
     自分自身が何で出来ているのかを
     そして
     自分以外の死なら
     私達は幾度も幾度も繰り返せることを――