フィンヴァッラの火 〜熱砂の奇跡〜 昼なのか 夜なのか全く分からない 熱く灼かれた風が渦巻く 崩れた廃墟 全てが閉じられた空間 岩の祭壇の前に掲げられている燎火 緋の布を纏い 揺らめく炎の如く舞い続ける少女 閉じられた瞳は かつての栄華を見ているのか・・・・・・ そして 彼女は水を呼び醒まし 私に夢を相せる かつて榮えたこの國の総てを とうに滅びたこの國の総てを 恐ろしくも美しい この廃都の祭壇で 決して休まず 決して瞳を開く事なく 石舞台を訪れた者凡てに ここで昔あった事を総て相せるのであろう