Four things are not to be brought back

     目に痛い位の青空 同じ空の下で起こった過去の事
     崩壊、革命、滅亡
     怒涛の時代だった・・・・・・
     そして
     大規模な氷河時代到来の前兆の如く "それ"は起こった

     意識が拡散してゆくように 色はめ
     言葉は意味を喪い 酔生夢死の時間を止めた
     程無くして 僕の世界に沈黙が訪れた
     この沈黙は もう生涯解けることは
     ・・・・・・ない

     今よりもずっと小さかった僕の世界
     訃音ふいんがそこを支配するのに 何の問題はなかった
     響いた音がもたらしたものは 『絶望』そのものだった
     それが
     最初で最後の誕生日プレゼントとなった

     視界を覆い尽くした水粒の群れ
     手に入れられることの出来なかった想い出
     伝えられなかった気持ち
     絶望は やがて僕が生きていることを教えてくれた
     だけれど それが何だって言うんだ!?

     今でもこの日の日付を書く手が止まる
     人生の半分以上 想いを紡ぎ続けている自分がいる
     多分じゃなくて きっとこれからもそれは途切れない
     自然と忘れる時が来ると言うのなら
     どうか、どうか僕を放っておいてくれ

     旧き良き想い出に浸った時
     瑠璃色の空で月を見つけたような 優しい気分になる自分がいる
     そんな時 傷が確実に癒えていることを知る
     絶望からは 立ち上がっているんだ
     あとは 前を見る勇気だけ

     あなたが生きてきた分だけ あなたを想ってきた
     けれども僕にはまだ時間が足りない
     本当は無理なのかもしれない
     でも もう少し時間を下さい
     あなたが、死んでしまったという事実を認める時間を――