Jack O' Lantaern

      "いつ"からだろう? 原因は何なのだろう?
      僕にとって 君の誕生日が特別でなくなったのは
      僕にとって 君は特別な存在じゃあなくなった
      ――その理由わけ

      魂はさまよえる旅人のように
      感情は墓をあばく青白い光のように
      重力のない空間を漂い続ける
      あぁ 『さまよえるオランダ人』 彼の使命は愛を見つけること

      君にとって 僕は裏切り者?
      今君がする僕への仕打ちは その報復かい?
      メリジュ―ヌのように忍耐の上に愛を築けとは言わない
      エルザのように一言で全てを台無しにしても構わない
      僕が許せなかったのは
      君が嫉妬の炎で 自らをも焼いてしまうことだった

      僕が求めていた結果が 君を破滅へと導く事だったなんて
      あの時 どうして知る事が出来ただろう?
      恋、戦争、そして自分の利益の為ならば 僕等はいつでも盲目になれる
      そんな単純な事に気が付かなかった僕、そして君

      二週間違いの僕等の誕生日
      月の満ち欠けはまるで僕等の関係
      君の誕生日に満ちた月は 僕の誕生日には消えゆく存在
      君の誕生日に隠れていた月は 僕の誕生日では輝ける存在

      柱の周りを同じ方向へとぐるぐるまわるように 僕等は出会う事はなくなった
      僕か君、どちらかが反対を向けば 
      君か僕、どちらかが立ち止まれば 
      時計の針を左に巡らせる事が出来るだろうか 
      それとも 
      短針と長針のように、早さの違うまますれ違い続けるだろうか
      "応え"は恐怖に覆われていて 未だ手にする事は出来やしない――