涵  養かんよう



          擂潰らいかいされた原始的な闇
          それは処方の存在しないもの
          時として亡霊というものに名を変える
          そして世界の測歩が始められる


          言い伝えを 思考の産物と納得する?
          それとも"彼等"に出現場所を与えてやる?
          欲望は全能なのだよ
          穢れしを継ぐ存在ものよ


          散り行く花 余儀なく
          時は巡り続ける
          揺らぎ続けて見えなくなった時の底
          真実までもが美化される


          二つの月巡れば
          朱雀のとき 
          空を渡れ 夏を駆けろ
          一千年の夢がかすむ前に


          望む死を手に要れる為に死に臨む
          旅立つ時は今
          門扉は解放され
          物語は運命に向かう