Petal Storm 〜leavem〜



     千々ちぢに引き裂かれた諸々
          一見瓦礫にしか見えない残骸
          私達にとっては大切な財
          あなた達にとっては文明の残滓


          神の御先みさきを信じぬまま
          静かに瞋恚しんいの炎を湛える
          欲しいと願った事すらもないのに
          あなたが正義なら この世に慈悲など存在しない


          血に濡れた唇
          泥にまみれた頬
          拭い払えば元通りに、な る ?
          消えゆく記憶に無幻の花びら


          私はこの季節を愛したけれど
          季節は私を愛してはくれなかった
          その言葉しか知らないかのように
          ただ一言 たった一言を繰り返す


          踏み返してきた小道に 桜草を植えてみようか
          そこを馳せてゆく風
          吹き抜けて 通り過ぎて
          辿り着いたその場所は――


          思い、知ってから
          巡る季節とき この一年ひととせ 
          解けぬいましめ かいないだき
          振り返る空には幻惑の花びら