僕等は数え切れない他者の死の上に立つ



          その区切りはまるで
     英雄叙事詩の陰に隠された痛みのように
     その痛みはまるで
     封印されていたかのように
     風は咆哮を上げ 雨は視界をおおい尽くす


     あの時は二十四夜だったんだね
     季節は合っていたけれど 日にち外れの月酔いか
     何をしていたのかも忘却の彼方
     眇々復眇々びょうびょうまたびょうびょう
     永遠に取り戻せないその記憶


     影を追い 夜が更けていくのにも気が付かず
     気が付けば自分は絶望の底
     けれど人は言う
     絶望力が足りない――と
     その時 立ち上がる気すらも起きなかったのに


     あなたの本質は変わっていない
     そう、何も変わっていない
     なのに何故消えない?
     虚無感、脱力感、寂寥感・・・・・・
     消えたのはあなただけ


     丁度その年
     自分の誕生日は朔日だった
     生まれるのに相応しい輝かしい始まりの日
     その年その日 今の自分は生まれた
     あなたの死という事実と共に


     19というこの数値
     何を諷意ふういするんだろう
     時の効能?あなたに近づける喜び?
     ・・・・・・それとも無意味?
     そもそも答えなんて用意されていないのかもしれない


     本当の意味で人生を生きられたら
     あなたは報われる?
     あなたの存在が運命を全うさせれくれるのなら
     墓場にしか続かないその道を
     自分は悦んで選択しよう