Potentiality
 
      どれだけ涙を流しても
      暗渠あんきょに隠された水は減らない
      どんなに言葉の意味を殺しても
      この想いは消えない
      意味を虐殺し尽くした後に残ったもの
      それは二度とない思い出

      長い旅が終わった後
      僕の瞳に映る空は 再び静かに腕を広げてくれるだろうか
      罪を犯そうとしているのか
      それとも・・・・・・・

      静かに時を待つ以外 残される事のなかった選択肢
      暗渠の、決壊の時は近づいている
      青い塩水で目を洗うような 灼けつく痛み
      傷口すらないはずなのに

      君は僕に
      恋に恋をしていたとでも言うのかい?全ては幻だった、と―
      なら いっそのこと幻滅させてよ
      もう 何も望めなくなるくらいに

      永遠にも近いと感じられたあの時間
      その時間の後
      海は静かに もう一度僕を満たしてくれるだろうか

      塗り込めても 塗り込めても 浮いてくる僕の罪の色
      その色が どうか君を咎めることのないように
      それは君の為の僕の祈り
      そして 今
      僕が君に出来る唯一の行為