ラグナレク



     かすかな痛みと共に地球光をまとい
     僕は叫ぶような歌声を響かせる
     どこかで知っていた 全ての旅立ちを促すこの時
     振り出してみた世界
     確かなのは死という結末
   
     
     遠のく記憶 得がたい感情
     諦めきれない思いが幻に追いつく
     どうしようもなく暇を殺し続けた名も無き時間
     そんな日々も実は必要だった――と 今なら判る
     愛おしさと共にあなたを抱きしめる為に

          
     つながれ記憶され続けていく現実
     それは眩暈がする程の正義であり
     数を知られることすらもない悪である
     なら 忘れられていく記憶は無意味なものか?
     裏切られた二面は一体何を語る?


     先に進むには出会いがいるのさ
     どれ程のえにしが結ばれていったのか
     それは神祇しんぎのみぞが知る奇跡
     無知なネクロフォビアだからこそ
     偶然を運命と錯覚するのかもしれない・・・・・・


     微笑みに手を添えて 手を引き寄せて 背に腕を回す
     この体温を この手の感触を
     守り抜くと 共に生きると 誓った日があった
     貪欲なタナトフォビアだからこそ
     宿命と対峙する――