そこで滅びるために

     強くなんかなりたくなかった
     そうならなければならない理由が よく判らなかった
     弱くても小さくても 真っ直ぐ生きていける
     何かに立ち向かおうとしなければいいだけだから
     興味なんかないんだ、生きていくことに
 
     生かされているから あなたに
     だから望まれるままに 自分は生きる
     何人たりとも あなたなしでは生きてはいけぬのに
     あなたをいつくしむと同時に
     歯止めの利かない破壊をもたらそうとする
  
     善も悪もなく いやその基準すらも持たずに
     あなたは存在し続け 他の存在を翻弄する
     時に 秘められた脆弱さを垣間見せながら
     そんな時
     奔騰ほんとうした感情を試されているように錯覚する

     手に持つは 蓋然性がいぜんせいという不確かさ
     幸か不幸か それは何にでも変化へんげする
     本来ならはかれるものですらないものも 取り込んでゆく
     あなたのように
     そう・・・・ あなたの存在意義のように

     消すことの出来ない
     手のつけられようもない
     止めることも出来ない
     けど 意識させられることも無い
     こんな感情を何て呼べばいい?