黄泉返ル瞋恚ノ情
宿命に謙遜しても仕方ない?
徒の煙 空に到らば
「ここ」に居たいという思いは 愚かな妄執でしかないのか
―一体救いは何に?
数ヵ度の渡り合い
季は未だに見えず
このぶつかり合いに答えがあるならば
なのめ悦び この身を差し出そう
金打の音が響いたのはいつだったか・・・・・・
降誕
その瞬間を感佩する
忘れたというのであれば 思い出させてさし上げようか
紅い月に白衣となることを貪り尽くされても
暴力的なまでに喚び醒まされる 溢れくる憎悪
置き去ることの出来ない時の記憶 止められない呪縛の連鎖
それは俗念落ちした理想が辿る末路
泥む現実に対し 冷めてゆく心
憂いも憂えも呑み込めず 背徳の甘美に打ち負けて
勝手な思い込みで終わりを迎え入れる
あとは、もう・・・・・・
空虚な身体を吹き抜けてゆく風
闇色の天下に巡り舞い出で
天の底が外れたかのように降りしきる雪の中 身体を白で満たす
それで 始まりのように無垢になれたら良いのに
再びこの地で 共に空を見上げる事はないだろう
それが哀しみだなどと解りはしないだろう
思い知るのはいつ未来か
救いは一体何に―?