Sigシーク 

       出口を探して ずっとこの世界を漂ってきた
       巡って 巡り続けて
       足が擦り切れる前に通った入口みち
       そこが出口だと知るのに あまりに多くの時間を費やしてしまった

       もう 君の為には祈れない
       命を賭して守り続けてきたものを 今 手放す
       それでも 僕の手の中には遺るものがある
       それは
       僕が本当に守りたかったものの幻

       背中合わせから始まった旅
       君のゴールがふと気になる 今君は 同じ空の下の何処に居るんだい? 
       君が隣に居た時 ふわふわと宙を舞う羽根の様だった僕の心
       今は 星の距離ほど離れてしまったと感じる位置に居るけれど そんな事はないんだ
       不思議だね

       あんなに"理由"を失う事を恐れていたのに
       "理由"がなくなったいまに安堵している僕がいる
       軌跡を共にして 僕等は何を手にしたんだろう――
       僕等の"出逢い"は 奇跡を信じるきっかけを作った・・・・・・?

       君の存在という名の、奇跡的な確率
       頼りない確率と確率の間に成立した感情
       名も無きそれには どんな名が相応しいのか
       模索を始めた時 ベクトルは崩壊に傾いた

       空を見上げ 光の白さに目を細める
       君の為に祈る僕は もういない
       未来が満ち足りていることを願い 僕は歩き出す
       消滅してゆく足場を見ながら 思う
       何で君はそこに立ち尽くしたままなんだい?
       ほころびから見えるのは 雨上がりの空の色
       そう教えてくれたのは 君なんだよ?

       相反する感情に振り回され 心は傷だらけになる一方
       今は 空を見上げる首を支える力もない
       でも 岐度その事を語れる日が来る
       僕はそう固く信じている
       だからこそ 歩いてゆける

       そう、歩いてゆけるんだ