残 揺 光



          付きまとう違和感
     自分がこの世界にいるという そんな違和感
     それ以外は 何も感じない 何も想えない
          そう それは居場所のない感情


     いつか いつか いつか
     言葉にりつかれたように繰り返す
     想いはいつか海を越えるのか
     願いはいつか空に届くのか
     そんな事ばかり考えている


     幸せだけれどもしあわせじゃあない
     雪け水のような涙を流したのは遠い昔
     それこそ誰も辿り着けない彼方の領域
     月の色を宿した雪明りのように
     それはもう昔語りの世界での出来事
 

     何も出来ない
     大したこともない
     イバラの服を着るしかない
     呪いを受けて そして吐くしかない
     自分の存在なんてそんなもの
  
     
     慈しむほどにつけ上がる
     欲望という名の 生きたいという気持ち
     背を向けようとするほど張り付いてくる
     絶望という 死にたい気持ち
     答えは決まっているのに 何故、迷う?

 
     手を伸ばし 何かが掴んでくれるのを待っているのか
     手を引かれる勇気もないままに
     手を伸ばし 何かを掴もうとしているのか
     目的もないままに
     ――一体 何をしようというのだろうか


     違和感を払拭する為に 世界を変えるか拒絶する
     居場所を得る為に 世界に寄り添うか入り込む
     いずれにせよ 自分の意志には関係なく
     "ありとあらゆる矛盾と どうしようもない混乱"を覚悟しなければならない
     例え 自ら死を選択しようとも